『roof(出題:soma yokoi)』をテーマとして第5回の講評会が行なわれた。
『keisuke hukui』
普段、生活者としての私達は、屋根というモノに対してほとんど注意を払わない。
それがスラブなのか屋根なのか。
実はそこに大きな違いがあり、その意識の変容に伴ってその場の雰囲気もがらりと変わる。
駅のコンコースにかかる天井。
スラブなのか屋根なのか。
それを明らかにしてみよう。そこに穴を穿つだけで、空間の質は変容していく事だろう。
フラーのマンハッタン計画のように、我々の頭上に大きな屋根がかかるとどうなるのか。
環境を制御する機能を放棄することとなった屋根は、建築の形態を自由に解き放つだろう。この段階になると、建物はセキュリティーの要求に対しての解を出す事が大切になってくるかもしれない。
「大きな屋根がかかる」こうした時にデザインはこれまでと違った方向にシフトする。それが面白いと考えた。
屋根が政治や経済である場合は…
『yuri asano』
ヤネ。
地面がヤネになる。
昔の人がやっていた理想的な住居。
ヤネにお花を植えてヤネに自分の個性をだそう。
そんなイエが群れとなって広がっていく。
ユカもカベもヤネも意識しない、そんなシンプルな提案。
『soma yokoi』
街から姿を消した屋根達は、記憶の中にしか存在しない遺産であることに気づく。全てが制御された社会において、脱機能な屋根に建築という制御活動の空隙を感じる。
そして、「彼らは如何にして人と共に生きうるのか」。そういうことを考えるようになった。
提案では、家やオフィスを抱える高層建築を設定し、屋根裏部屋のようなボリュームを隙間を空けて積層した。視線は建物を突き抜ける螺旋階段や、エレベーターによって、空と建物を行ったり来たりする。全ての階に中庭があり、家の周りは全て外の空気であるため、説明の付かない空気感を手に入れることができるのではないかと思った。